理事長所信

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tsuji

「はじめに」

 私は、幼少期より吉川市に移り住み、約30年間このまちで暮らしてきました。早産で病弱に生まれた私は周囲の人の支えを受けながら成長し、いつしか「人の役に立つ仕事がしたい」「人の話を聴くことを生業にしたい」という志を抱くようになりました。そこから福祉という業界に出会い、15年間福祉の仕事に携わってきました。福祉という言葉は、「幸せ」を表す二つの漢字から構成されています。あらゆる立場の人々が豊かになり、暮らしやすくなることを目指す福祉の仕事は、青年会議所の「より良いまちづくり」と共通した理念があります。このまちのために自分ができることを探す中で吉川青年会議所と出会い、今年度理事長の職をお預かりすることとなりました。

吉川青年会議所は1979年に豊かなまちづくりを目的に設立され、2023年度に創立45周年を迎えました。昭和・平成・令和と時代が移り変わる中で、地域課題も変わってきています。その変化に対応しながら、常にこのまちの発展のために運動発信を続けてきました。「あいさつ通り」や「交通安全パレード」など、諸先輩方が発信した取り組みが、今もこの地域に数多く引き継がれています。次世代の人々から借り受けた場所としてまちを見つめ、より豊かな未来に向けて発信していくという吉川青年会議所の理念は、創立から46年経った現在でも引き継がれ、大切にされています。

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「地域から求められる団体としての成長と会員拡大」

 少子化や社会構造の変化の中で、青年会議所の会員数は全国的にも減少しており、吉川青年会議所の会員数も創立から46年の歴史の中で、徐々に減少している事実があります。しかし、地域の団体や行政を繋げてまちづくりを発展させたり、地域の課題を発掘して解決に向けた問題提起を行ったりするなど、青年会議所が担ってきたものは決して小さくはありません。私たち吉川青年会議所は地域を繋ぎ、まちづくりを促進する団体として歩む中で、このまちから必要とされてきました。また、地域に対する理解を深め、自己研鑽と自己成長の機会を得られるという魅力が青年会議所にはあります。想いをもった仲間を増やすことで、今後もこの地域に根差しながら強い運動発信を行うことができます。地域の方々と積極的に交流を図り、この団体をより広く深く知っていただく機会や、仲間を増やすきっかけをつくり続けます。この地域から求め続けられる存在として、これまで以上に、会員拡大への意識を高め、取り組む一年とします。

「相互理解と意識変革の促進」

 現在の日本では、様々な問題が山積しています。核家族化や地域コミュニティの希薄化という課題の結果として、地域の中で孤独を感じている人が増えています。私は福祉の仕事に携わる中で、ご高齢の方や障がい・持病がある方など、誰かの支えを必要としたり、生きにくさを感じたりしている人々と関わってきました。生きにくさを抱えた方の存在は地域の中で気づかれず、理解されにくい現状があります。私たちは、誰もがいつかは老い、また予期せぬ病気や事故により、ハンディキャップを負うなどして、生活状況が変わる可能性があります。しかし、生活状況が変わったとしても、できる限り今と変わらず暮らし続けたいという願いをもっています。相手の立場を知るということは、あらゆる立場の人が助け合うまちの風土を醸成することに繋がります。私たち吉川青年会議所は、事業を通じて市民の意識変革に取り組んでいきます。人々の意識が変わり、助け合いの風土が促進されれば、生きにくさを感じる人は今よりも少なくなります。誰もが助け合う風土は、この地域をより明るくすることに繋がります。病気や障がいを負ったとしても居場所を感じ、人々の関りが豊かなまちは、住みやすいまちと言えます。同じ地域で暮らす様々な立場の方が相互理解を深め、誰もが住みやすいまちを目指します。

「自己研鑽と次代への橋渡しの意識」

 吉川青年会議所は現在、入会期間の短い会員が多くなっています。新型コロナウイルスの流行による事業の縮小や機会の減少も影響し、個人差もありますが「知らない」「経験できていない」ということが増えています。今年度は、会員の自己研鑽の機会のさらなる充実化を目指します。青年会議所に入会した理由は会員それぞれ違いますが、より良いまちづくりや自己成長への想いは、全ての会員が共通して強く抱いています。自分たちの活動の意義や可能性を実感できる場を、積極的に設けていきます。また、会員同士の交流の機会も大切にして、これまで先輩方から受け継いできた、知識・ノウハウの伝承を重要視していきます。人との出会いは、私たちの人生をより豊かにしていきます。会員がより充実感を感じ、団体としての経験値を高める一年となるよう行動していきます。

「結びに」

 万里一空とは、その語源の中に「全ての人に同じ空が広がっている」という解釈があります。そして、「一つの目標に向かって努力し続ける」という意味合いがある言葉です。私たち吉川青年会議所は、明るい豊かなまちづくりという目標に向かって歩んでいきます。想いをもった仲間を増やしていくことで、私たち運動発信の力が高まっていきます。そして、会員同士の切磋琢磨によって、この力をさらに加速させていきます。その上で、地域の方々を巻き込みながら、誰もが輝ける地域を目指していきます。。一人ひとりのライフスタイルも多様化し、豊かさや幸せの尺度も、一概には測れない社会となっています。しかし、考え方や立場の違いはあっても、「より豊かに生きたい」という願いは誰もがもっています。万里一空の心でまちづくりに取り組むことで、すべてのまちの人にとって、より住みやすい地域がつくられると確信しています。少し先の未来に、あらゆる立場の方がともに笑い、同じ空を見上げられるよう、一年間精一杯取り組んで参ります。よろしくお願いいたします。

「事業計画」

・会員拡大に関する事業

・市民の意識変革を促進する事業

・会員の自己研鑽に関する事業